第三世界の成長のシナリオ 7
たしかにラテン・アメリカには、いまだに旧植民地的な古いメンタリティが色濃く残っています。
しかし、いまのメキシコやブラジルは、昔の植民地ではありません。
たとえ、いまのところはうまくいっていないとはいえ、彼らラテン・アメリカ人は、彼ら自身で彼らの経済を運営しているのです。
ラテン・アメリカ人のメンタリティが、大きく変わりつつあることを見落としてはなりません。
たとえばブラジルは、たとえ外国から導入した技術ではあっても自国でクルマを生産し、鉄鋼業を経営し、さらには人工衛星すら打ち上げています。
また、メキシコにしても、かつてのように3時間も4時間も昼食をとったり、やたらシエスタ(昼寝)する習慣は影をひそめつつあります。
彼らは勤勉であることがペイする社会、勤勉であれば、その分だけ報われる社会というものに、徐々に対面しつつあるのです。
それはメキシコの国内だけにかぎらず、ラテン・アメリカ全体にいえることでしょう。
こうした状況を無視して第三世界、怠け者論を展開するのは、少々近視眼的にすぎるといえます。