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2010年09月 アーカイブ

第三世界の成長のシナリオ 5

こうした状況下では、救いがたい植民地根性、奴隷根性が醸成されていきます。


植民地の被支配民は、社会的に上位の人間におもね、ウソをつき、いかにくすね取って暮らすかだけを問題とします。


しかも、きわめて投機的に一発勝負でもうけ、運よくもうかったとしても、それを建設的に投資して、さらに利潤をあげようという発想は生まれません。


実際にこのような環境の下で商生き残るには、徹底的なサボタージュと言いわけという名のウソを使いわけてサバイバルするしかないのです。


植民地の農奴は、「真面目に一生懸命働けば、明日は必ずよくなる」などというメンタリティでは、生き残ることはできません。


働けば働いたぶんだけ収奪されるのだから、働くほどソンすることになるのです。


いや、それどころか、それだけ疲労して死期を早めるだけなのです。


有能であることが報いられず、むしろ弾圧の対象となる社会では、大多数の人々はおのずと怠け者になります。


日本の江戸時代は、たしかに封建的な収奪が厳しかったかもしれませんが、スペインの植民地のように、いくら働いて生産性を上げても、それが利益につながらないということはありませんでした。


労働は過酷であったかもしれないですが、農民は、工夫をこらし、勤勉に労働することによって、少しずつでも収益を上げることができました。


そうであるがゆえに、江戸時代の日本の農業の生産性は、同時代では奇跡的ともいえるほど高かったのです。

第三世界の成長のシナリオ 6

アメリカ合衆国などのイギリス型植民地では、彼らが生産的であり、企業家的であれば、収入は増加していく可能性がありました。


すなわち、一生懸命働けば自分自身が恵まれるという経済機構の中に生まれてきたら、人間はかならず勤勉精神を身につけるのです。


同じアメリカ合衆国でも、黒人は長い間、奴隷的地位に甘んぜざるを得ませんでした。


いくら真面目に働いても、むくわれることがなかったのです。


かつてアメリカの黒人が、怠け者でウソつきだとされたのもそうした背景があってのことなのです。


要は経済構造の問題でしょう。


経済構造が変動することによってのみ、そこに存在する人間のメンタリティも変化していくのです。


明治以来、われわれ日本人は、朝鮮や台湾の人々に対して「朝鮮人はナマケ者でウソつきのガンコ者」とか、「台湾人はノンキすぎて、働く意欲がない」などと、さんざん言いたい放題のことを言ってきました。


しかし、いま、韓国人や台湾人が「ナマケ者でウソつき」だから、韓国や台湾の経済が発展しないなどと本気で思っている人はいないでしょう。


しかし、50年前の日本では、それが常識であったことを思い返せば、第三世界の人々が無能であるがゆえに、第三世界には経済発展はないとする議論が、いかに馬鹿馬鹿しいかは明々白々と思われます。

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