第三世界の成長のシナリオ 3
このスペイン型の植民地経営は、まだ近代資本主義以前の段階です。
現地の労働力を徹底的に搾取する農奴経済に基礎を置いているのですが、このラテン・アメリカを中心とするスペイン型植民地に対して、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、オーストリアなどで展開されたイギリス型の植民地ではだいぶ事情が違います。
これらイギリス型植民地では、本国イギリスで起きた経済的発展がふたたびくり返されました。
インディアンなどの現住民をジェノサイド同然に駆逐したあと、近代企業家的精神をもった人たちが、イギリスの産業革命で起きたことを植民地の現地に移植して、まったく同じことをくり返したのです。
スペイン型植民地では現地がいかに貧しくなろうが、そんなことは問題ではありません。
肝心なことは、富を本国に奪っていくことです。
ところがイギリス型植民地では、現地に資本を投下し植民地の経済を発展させていきます。
このことは当然、植民地と本国の経済的な対立を引き起こします。
現地に独自の経済体制が存在する以上、植民地の支配層は本国からの一方的収奪には徹底して抵抗することになります。
アメリカ合衆国のイギリスからの独立も、こうした経済的な基盤に立っておこなわれたわけです。