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2010年07月 アーカイブ

第三世界の成長のシナリオ

第三世界には、日本の常識からは想像もつかないことが数多くあります。


たとえば、メキシコのタクシーにはメーターがありません。


乗る前にはかならず「どこどこまで行きたいが、いくらで行くか?」と値段の交渉をしなければなりません。


もし交渉をせずに乗ってしまうと、本来なら300ペソで行くところを2000ペソだなどと、やらずぶったくりをされます。


現地の事情に明るければだまされることはありませんが、事情を知らない外国人などは、まさにカモネギなのです。


これは土産物屋も同様。


彼らは50ペソで仕入れた商品に、1000ペソなどという法外な定価をつけます。


土産物を買う外国人観光客はメキシコ通貨の価値がわからないから、できるだけ高くふっかけて儲けようというのです。


「1000ペソでは高い」というと、彼らは平気な顔をして500ペソ、300ペソと値下げしてきます。


1000ペソという価格は、そこから値切り始める価格として設定されているのです。

第三世界の成長のシナリオ 2

これはメキシコに、いまだ近代資本主義の契約の観念が希薄なためにほかなりません。


かりに50ペソで仕入れたものなら、その原価に諸経費と適正利潤を加え、適正価格で売るというのが近代資本主義の精神。


しかし、彼らは50ペソの商品が1000ペソで売れれば、950ペソ儲かった、それでいいのだとするのです。


その後のビジネスの信用のことなど眼中にありません。


まったく一発屋的なメンタリティなのです。


年率80%にものぼるインフレという事情があるにしても、やはり、そこに適正価格という発想がないためでしょう。


こうした事情はメキシコに限らず、どこのラテン・アメリカ諸国でも似たりよったりですが、それは、ラテン・アメリカが長いあいだスペイン、ポルトガルの植民地であったためにほかなりません。


スペイン的な植民地の特徴は、農奴制経済にあります。


それは、プランテーションの下で徹底した単品農業をおこない、バナナやココナツ、香料などの単品をタダ同然の労働力で生産し、そこからあがる利益をことごとく本国へ収奪します。


また、植民地の鉱山から産出する金、銀などもことごとく本国スペインにもっていってしまう経営方式なのです。

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